白化粧台付土器
■DATA:高13.8㎝/径11.3㎝/15~16世紀
主に無釉が主流のアユタヤの土器には珍しく、蓋や台座に白化粧(器が乾いたのち白い泥を塗り再び乾かす)がほどこされている貴重な壷。 粒子のあらい重みのある土が用いられ、口部が外側に折れて胴が膨らんだ形をしており、叩き造りの為に底は独特の丸底であることが特徴。写真の土器は丸底に丁寧に台座も付いています。焼成温度が低く、もろいつくりです。何に使ったのかはわかっおらず、香炉ではないかとも想像されるが使用感はありません。アユタヤ国※1にはたくさんの窯があったと文献にはありますが、交易が盛んであり、他国から陶磁器が輸入されたこともあって、自国での生産はあまりされなかったと思われており、現存し保存されている窯址もありません。バンブーン窯が有名だったとの記録が残されています。
※1【アユタヤ】…チャオプラヤー平野の中央部にあり、首都バンコクの北72㎞のところに位置する、かつてアユタヤ王朝が栄えた地。1351年に初代のウートーン王がここに都を定め1767年にビルマ軍に滅ばされるまでの417年間、35代にわたる王が繁栄を築きました。