白濁釉褐釉獣型水滴
■DATA:14世紀 高さ19.7㎝
スワンカロークとはタイの代表的な古陶磁窯で、窯は中部タイのスワンカローク市の郊外パーヤン村、ツターカ村、バン・コーノイ村に145か所を数えます。この一大製陶地の中心がスワンカローク窯で、スコータイ王朝の14世紀に開かれました。中国陶磁の陶技や様式を受けて、鉄絵陶、青磁、褐釉陶、白釉陶、淡青釉陶などを焼いたようです。日本へは桃山、江戸初期に茶人好みの器物として好まれて輸入され、その後江戸時代にはスワンカロークがなまって宋胡録(寸胡録とも書く)の名称で親しまれるようになり、日本人にもなじみの深い陶磁です。この水滴はユーモアにあふれていて、犬なのか豚なのか、牛なのかわからないところも面白いです。