メオ族のスカート|特選画廊|ヨコタ博物館

メオ族のスカート

故ヨコタ館長が40年ほど前に、メオ族集落にて年配の女性より譲ってもらったプリーツスカート。メオ族には青メオ族と白メオ族とがあり、青メオ族はろうけつ染めのプリーツスカート、白メオ族は白のプリーツスカートという具合に目視で識別できます。また彼らの衣生活には夏冬、日常着、外出着、儀式用といった区別が基本的にはありません。故ヨコタ館長がメオ族の村を初めて訪れた時には、彼らはまだ外国人との交流はまったくない状態で、話しかけるどころか姿を見せてもらうのにも多大な労力と細心の心配りを要しましたが、現在ではメオ族の伝統的な染めや精緻な刺繍の技術には芸術的価値が認められ、世界各国からプリーツスカートなどの衣装や装飾品を求めて人々が村を訪れています。ろうけつ染めのプリーツスカートの作成はすべて手作業で行われ、まず綿を栽培するところから始まり、綿を紡いで布を織り、藍でろうけつ染めを施してスカートを縫い、太めの針に紐を通してシャーリングを細かく施していきます。仕上げに焼いた石をアイロン代わりにして青メオ族の特徴でもあるプリーツを整えて完成。ヨコタ博物館に収蔵しているこのスカートは民芸品ではなく、実際にメオ族の女性が着用していたもの。山岳民族とどのようにしてコミュニケーションを交わし、これらの品を収集したかは『第1展示室:民族衣装』に詳しく紹介しています。