ケーン(KHAEN)|特選画廊|ヨコタ博物館

ケーン(KHAEN)

■DATA:長さ98㎝ 幅15cm 奥行5㎝

ケーンはタイ東北部のイ-サン地方の伝統楽器です。非常に古くからある楽器の一つで、集落の集まりや祭礼等に演奏され、現在も昔同様に親しまれています。今も昔も楽団のパートで吹くことは少なく単独で用いられ場合がほとんどです。古いものですと二千年以上前の遺跡からも発見されており、日本の雅楽で用いられる笙の原型とも言われています。館所蔵のケーンは、竹で作られ16管あります。写真のケーンの丁度真ん中あたりにある黒っぽく丸みを帯びた木製部分は『胸』と呼ばれ、出っ張った部分が尾と呼ばれる部位で、その反対側の穴が吹き口になります。吹き口は木製だけでなく、真鍮や銀製のものもあります。吹き込んだ息で木あるいは金属の薄い板を振動させ竹の管で拡声する仕組みになっており、 ハーモニカと同じように息を吹いても吸っても音が出ますが、一つの管は一つの音階しか出ません。それぞれの竹の管には指穴があって、これを塞いだところだけ音が出ます。運指と息の使い方でリズムとメロディ・ハーモニーを同時に奏でることができるため、非常に多彩な表現もでき、力強い元気の良い音がでます。