黒褐釉仏塔形容器
■DATA:12〜13世紀 高さ29㎝ 径21.5㎝
クメールの陶器生産の始まりは、プノン・クレーン丘陵周辺で9世紀初頭に独自発生し、クメール帝国が衰退した13世紀に終焉を迎えたというのが今日の一般的な考えになっています。クメール陶磁の壺や瓶はインドの造形を元に、中国の製陶技術が垣間見える特異な焼物で、そのほとんどが祭器として作られたので重厚な作りになっています。しかし、この容器内の側面には、石灰がこびりついたように白くなっています。もしかしてキンマの石灰がいれてあったのかもしれません。